カルチャー
2021年10月3日

【CSR/SDGs/サステナブル関連のニュース】
「第5回 サステナブル勉強会」を開催!【前編】

広報室CSR/SDGs推進の高山です。

 

このコンテンツは、社内へのサステナブル活動の情報伝達と社外のサステナブル推進に苦戦されている企業のCSR、SDGs、サステナブル担当者の方々との交流や情報共有を目的として作成しております。

 

 

さて、5回目となる社内勉強会は、社外ゲストと社外参加者をお招きし、ミニステークホルダーダイアログとして開催いたしました。ゲストには、行政、大学、NPOの各セクターの方に登壇をお願いして、サステナブルに関するそれぞれの現状や企業に期待することついてお話しいただきました。社内の参加者に普段、なかなか接点のないセクターの方のお話を通じて、社会全体がどのようにサステナブルと関わっているのかを感じる機会を提供できればと企画いたしました。非常に濃い内容でしたので今回と次回の2回に分けて内容をお伝えさせていただきます。

 

 

※ステークホルダー・ダイアログとは、企業が自社の社会・環境的活動に対するステークホルダーの意見を反映することを目的とし、様々なステークホルダーを集め開催する双方向の対話のことです。

 

 

 

 

ーー今回の社内浸透テーマーー

 

なかなか普段は接点のない社外のセクターを勉強会にお招きし、視点の違いから新たな発見をしてもらう

 

ーーインデックスーー

 

1、産官学民未来創造コンソーシアムについて

 

2、【官:行政】の川端さんへの質問

 

3、【学:大学】の青木さんへの質問

 

4、【民:NPO】の米山さんへの質問

 

 

 

ーー1、産官学民未来創造コンソーシアムについてーー

 

勉強会の開催にあたり、私自身が前職の頃からメンバーとして所属している「産官学民未来創造コンソーシアム」の皆さまにに講師協力の依頼をしました。メンバーは、三重県を舞台に各方面でサステナブルな活動で活躍されている方々です。

 

 

<産官学民未来創造コンソーシアム>
産官学民の多様な主体からメンバーが集い、互いが持つ知恵やノウハウ、ネットワークを共有して、セクターや組織の垣根を越えて一緒に「よりよい未来」を創造することを目的として2014年に設立されました。団体の特徴は2つ「よりよい未来を創造するという点」「産官学民という4つの異なるセクターが集まっている点」です。

 

 

※主な活動
▶学生による地域貢献に取り組んでいる企業や団体の活動を、学生視点で取材し、冊子やホームページで紹介するCSR取材団体「ガクレポ」の設立
https://site196530-727-371.mystrikingly.com/
▶CSRやSDGsをテーマとした勉強会の開催
▶産官学民の視点をテーマとしたセミナーの開催
▶寄付イベントの開催
▶中日新聞でのコラム掲載 など

 

 

<産官学民未来創造コンソーシアムメンバー>

「産(企業)」
株式会社ネオキャリア広報室CSR/SDGs推進 高山功平

「官(行政)」
三重県職員 川端賢一 氏

「学(大学)」
三重大学人文学部教授 青木雅生 氏

「民(NPO法人)」
NPO法人Mブリッジ代表理事 米山哲司 氏

 

 

 

ーー2、【官:行政】ーー
川端さんへの質問

早速、産官学民未来創造コンソーシアムの皆さんにCSRやサステナブル、SDGsについて気になる点を質問してみました。まずは、「官(行政)」の川端さんです。

 

 

 

 

私が、CSRや社会貢献として、NPOとの連携を模索しているとき、NPO課に所属されていた川端さんと出会いました。真剣に企業の悩みを聞いてくださり、連携の方法を教えてくださる行政職員さんです。企業として、理解のある職員さんに出会えるのは、とても幸運なことかもしれません。川端さんとは、子育て支援に関しても意気投合し、共に立ち上げた子育て支援団体は、今もなお続いております。そんな川端さんに質問してみました。

 

 

Q.行政のサステナブル、SDGsなどの推進状況について、組織内の変化など教えていただけないでしょうか?

 

一職員の立場から感じていることをお話しさせていただきます。三重県はSDGs未来都市に選定されていますが、組織内でSDGsという言葉が色々な場面で聞こえてくるようになってきました。SDGsを念頭に置いた計画作りも進められて、この2、3年で特に広まり、合わせて勉強会なども増えています。

 

 

Q.色々なところから聞こえてきているんですね! 勉強会とおっしゃいましたが、行政内ではどのような勉強会を開催されているのでしょうか?

 

「SDGsとは」などの初歩的な研修からSDGsの施策への活かし方などの研修、議員向けのSDGs勉強会なども開催されています。

 

 

Q.勉強会などを通じて、職員さんのSDGs認知は広がっているのでしょうか?

 

行政はそれぞれの総合計画に沿って施策を展開しており、三重県では「みえ県民力ビジョン・第三次行動計画」に基づいて動いています。その計画にはSDGsの視点から施策を考えることが組み込まれており、事業を作る際の計画書にもSDGsの視点から記載し、予算要求をするようになりました。そういった意味でも、SDGsに関する職員の認知は広がってきていると感じます。
また、事業を作る際には、その事業がSDGsの17の目標のどこに合致するのか、ナンバーリングを記載しますが、目標17の「パートナーシップで目標を達成しよう」は、どの事業にも取り入れるようになっています。ステークホルダーと互いに役割を担いながら新しいモノを創ることを大切にしており、ステークホルダーを意識した視点を職員が重要視するようになってきていると感じています。

 

 

Q.行政の事業計画にSDGsがナンバーリングされていると聞くと、パートナーシップとして連携したいと考える企業も出てくるかと思いますが、どのように連携をお願いしたらいいのでしょうか?

 

行政側も事業を考えたり、実践したりする時には、様々な視点や意見を取り入れたいと考えています。その際、各分野の業界団体や専門家、有識者に意見を聞くことが多いですが、企業の皆さんの視点や意見も参考にしていくことも必要だと思います。これまで行政と企業のつながりは、事業の委託のほか、協賛、協力依頼といったことが主だったかもしれませんが、これからは「連携」を意識した取り組みも大切となり、それを生み出すための新しい場づくりも必要ではないかと思います。例えばですが、1つの方法として、行政と企業が「包括協定」を結び、仕事のパートナー以上の関係で社会課題に取り組むというやり方も考えられるかと思います。

 

 

Q.包括協定のイメージとして、締結したあとに実際に行動していくところが難しいかと感じますが、良い方法はございますか?

 

包括協定を結んだ場合でも、そこに至った経緯や担当者同士の関係性により実際の行動は左右されるところはあるかと思います。ただ、包括協定を結んだということは、行政と接点を持つ、一緒に取り組みを始める切り口になることは間違いないので、それをチャンスとしてどう活用するかを考えることが大事なのかなと思います。

 

参照
三重県SDGs推進窓口 
三重県SDGs未来都市計画 

 

 

川端さんのお話を伺い、行政においてのSDGsの重要性を認識しました。企業は、しっかりとSDGsの目標ナンバーをHPなどで明記して、つながりを見える化することと社内勉強会を開催してSDGsを理解することが連携のポイントになることがわかりました。

 

 

 

ーー3、【学:大学】ーー
青木さんへの質問

 

続いて「学(大学)」の青木先生に聞いてみました

 

 

 

 

青木先生とは、私が推進していた障がい者雇用でご縁をいただきました。CSR全般やBCPなどこれまでにたくさんのことを相談し、学ばせていただいています。大学の授業でも取り組みを紹介する機会までいただきました。取り組もうとする企業にチャンスを与えてくれる方です。

 

 

Q.大学のサステナブル、SDGsなどの推進状況について、組織内の変化など教えていただけないでしょうか?

 

大学全体のお話はできませんので、三重大学でのお話をさせて頂います。三重大学はSDGsの前から環境先進大学として色々なことに取り組んでいました。その取り組みは、ISO14001を三重大学で認証取得できる水準で進めていて、外務省SDGsホームページ内の教育機関で取り上げてもらっています。主に地球環境の分野では、SDGs以前より評価をいただいていると認識しています。そういう背景もあり、キャンパス内では、ゴミ箱を含め環境に関する意識は高く、2年ほど前からは、全学部、全授業の大学シラバス作成の段階においてSDGsのどの項目に当てはまるかのチェックボックスに回答する欄が作られました。教員のSDGへの理解に関しては、温度差があります。文系に比べると農学や水産学を含む生物資源学部などでは課題と技術の関連性が近いこともあり、特に興味をもっていると思われます。

 

参照
三重大学ISO14001の更新審査 
外務省SDGsホームページ内で紹介 
経営学総論のシラバス 

 

 

 

Q.新型コロナウイルスの影響を受けてDX化が進んだかと思います。その辺りでの組織の変化、オンラインを経験されて見えたこれからの大学に求められていることについて教えてください。

 

地方の国立大学ということでこの10年、予算的なことや人員的なことなどから存在意義を問われて続けてきました。その中での新型コロナウイルスのまん延により、強制的に授業のオンライン化が進みました。 オンライン化になってわかったことは、距離に関係なく授業は受けられるなど、ある程度のことはやれてしまうことでした。ある意味、社会実験的にキャンパスに行かなくても授業としての知識を得ることが可能であるということが理解されたわけです。一方で学生同士が接点や対話に関しては、一部オンラインで補えてはいるものの、対面、学生同士の情報交換、人間関係などから学びうるものは、欠落してしまったことに気が付きました。現在は、その課題を解決するためにも対面のあり方を再検討する必要があると思います。

大学の存在意義は、ただ知識を提供するだけにはとどまらないということがオンライン化を通じて見えたことです。わざわざキャンパスに来て学ぶこととは何なのか、来る意味は何なのかを大学側が意識的に提供していくことが大学のサステナブルに大きく影響を及ぼすと考えます。SDGsも含め、自分たちの組織には何の価値を提供し、どんな特色があるかをしっかりと示す必要があります。これからは、スマホで検索すれば出てくる情報以上のものを提供して、インフォメーションをナレッジに転換させて、実践して社会でも活躍できるような教育の場、研究の場になっていくことが大学として求められています。

 

 

Q.学生の中でCSRやサステナブル、SDGsの捉え方は変化していますでしょうか? これから興味は高まると思いますか?

 

変化しているかどうかを一言でいえば「変化している」です。 私は、経営学を専門として研究していますが、経営学の中でCSRやサステナブル、社会貢献などに関心を持って集まる学生は一定数います。トレンドということで徐々に関心が高まっているという側面がありながら、一方でCSRや社会貢献を「嘘くさい物」「偽善」と捉える学生もいます。単なる売名行為ではないのかという厳しい視点をもっている学生もいます。これらは、きちんとした知識があるわけでなく、わからないからそう捉えている学生もいると思われます。

名古屋の某女子大の非常勤でCSR論という授業をしている中で、アンケートを取るとSDGsをもっと知りたいなどの声が出ていますので、年々関心が高まっているといったところでしょうか。小中高の教育の中には、実際の学習だけでなく、受験や入試などでSDGsに触れていますので、その世代が上がってくれば、さらに関心は高まると予想されます。

 

青木先生のお話を伺い、次世代に確実にサステナブルやSDGsに関する関心が高まっていること。次世代は、売名行為を疑う目を持ち合わせていること。そして、大学の研究にもSDGsナンバーリングが行われ、大学がインフォメーションからナレッジに変ることをふまえると、企業は、「見える化」と「SDGs理解」に加えて次世代が働きながらサステナブル活動を表現する場の構築がポイントになることがわかりました。

 

 

 

ーー4、【民:NPO】ーー
米山さんへの質問

 

最後は、「民(NPO)」の米山さんに聞いてみました。

 

 

 

私が、CSRをよく理解していないときに、学びの門を叩いたのが米山さんでした。CSR推進で苦戦している企業担当者にたくさんのヒントを下さるNPOです。産民連携で様々な社内イベントや社外勉強会も共催しました。企業のCSR活動を広げてくれる方です。

 

 

Q.地域や企業がサステナブルといわれるためには、どんなことが必要でしょうか?

 

「シビックプライド」と言われる〝地域に対する市民の誇り〟に注目しています。〝郷土愛〟とも言えます。これは企業でいえば〝愛社精神〟にあたります。誇りや愛社精神のような数字で測れないものに価値を見出すべき時代がきたと感じています。人口減少や地方創生はそこからでしょう。郷土愛を作れない地域、愛社精神を育めない企業は見捨てられることかと。なぜこの地域に住み続けるのか、はぜこの企業で働き続けるのか、の〝続ける〟がサステナブルです。そこには理由や意図が必要です。〝信頼や想い〟というバトンをどのように捉え、どのように次世代に渡していくかでしょう。人を中心に考えていける地域や企業が持続可能になります。地域も企業も人の集まりだからです。コロナ禍もあり今こそ「何のために」をもう一度考える機会が与えられています。これからさらに多様なセクターとのつながりをつくれているかどうか、支え合えているかどうかなどの数値では表しにくい非財務的な価値に意識を向けていくことも大切と考えます。

 

 

※シビックプライド…まちへの「誇り」「愛着」「共感」をもち、「まちのために自ら関わっていこうとする気持ち」のことを「シビックプライド」といいます。 シビックプライドが向上すると、ボランティア活動、自治会活動、住民同士のコミュニケーションなどが活発になり、地域コミュニティが活性化され、住民の「住み続けたい」という気持ちが膨らみます。

 

 

Q.地域や企業にいてサステナブル活動を推進するために、注意すべきことを教えてください。

 

地域では様々なボランティアや地域づくり活動があり、企業ではCSRやSDGs推進などがあります。それらは、魅力となる「〇を増やす」か、課題である「×を減らす」かのいずれかです。ところが活動を捉えなおしてみると、〇を増やすことにも×を減らすことにもつながっていない活動もあります。これからのサステナブルを考えるのであれば、想いのこもっていないことをなんとなく引き継いではだめです。改めてその存在意義を問い直すことから、公益、利他、担い手という本質的な視点が生まれてきます。働くことも一緒です。なんとなく働き始めてなんとなく辞めていかないように、なぜ働くのかを丁寧に再確認することがサステナブルに繋がります。

 

 

Q.「民」のセクターから企業に期待することは何ですか?

 

一言でお伝えするなら「丁寧に地域のことを見てください」です。そこには企業が必要としていた様々なヒントがあるかと思います。

 

 

米山さんのお話を伺い、誇りや愛社心などの非財務な価値を丁寧に考え、サステナブにつながる理由や大義を生み出すことの重要性を感じました。企業は、「見える化」と「SDGs理解」に加えて次世代が働きながらサステナブル活動を表現する場を構築し、誇りや愛社心を育む環境つくりがポイントになることがわかりました。

 

 

ーー5、最後にーー

 

第5回サステナブル勉強会【前編」は、いかがでしたでしょうか。次回【後編】は、「産官学民による未来づくりの可能性」をテーマとしたトークセッションの内容をレポート致します。SDGsのパートナーシップについて、各セクターの企業への期待、未来に必要な連携とはなど、ぜひ、ご期待ください。

 

<過去の記事>
第1回内容
第2回内容
第3回内容
第4回内容

 

 

ネオキャリアでは、サステナブル、CSR、SDGsなどの研修や勉強会のご依頼、企業連携による合同勉強会の開催、サステナブルパートナーシップ連携などを受け付けております。詳細は、下記メールまでお問い合わせください。

 

<ネオキャリア広報室CSR/SDGs推進 担当:高山>
kohei.takayama@neo-career.co.jp

 

 

 

高山 功平

ネオキャリア広報室/CSR・SDGs推進。日本サッカー協会公認B級指導者ライセンスを持つCSR推進担当者。1997年~2020年までロベルト本郷に憧れて様々な地域で子ども達にサッカーを教える。その傍ら渋沢栄一に憧れCSRの推進に目覚める。2020年4月に広報部CSR・SDGs担当としてネオキャリアに中途入社。