カルチャー
2021年12月28日

子ども達の成長ついて企業の支援方法を考える

ステークホルダーインタビュー

 

社長室サステナブル推進の高山です。

 

新型コロナウイルスの影響で環境が大きく変りました。子ども達も例外でなく、一時は、保育園、幼稚園、学校やスポーツ、音楽、芸術などの習い事への参加判断が「難しい場面がございました。まだまだ予断は許しませんが、少しずつスポーツや音楽、芸術、自然などに子ども達が参加できる機会が、増えているのではと感じております。

 

今回は、私がサステナブル活動を進めるにあたり、子どもの成長を支援する方法をご指導いただいているNPO法人「みんなのことば」の渡邊さんの活動とインタビューを通じて企業がどのように子どもたちの成長を支援すればよいのかについてお話しさせていただきたいと思います。

 

渡邊さんは、子どものための参加型クラシック「みんなのコンサート」を中心とした、子どもに“本物の体験”を届けるためのコンサートやイベントを開催し、子ども達、特に6歳までの子どもを対象に心を育てる体験を提供されています。

 

では、渡邊さんをご紹介します。

 

 

とにかく明るくて笑顔が素敵な渡邊さん。すべての子ども達に本物を体験させてあげたいと年間120回ぐらい、保育園・幼稚園での公演、親子コンサートなどを開催されています。

 

コロナ禍では、保育園、幼稚園のでのコンサートは半減し、親子コンサートに至ってはやむなく活動を中止されていましたが、2021年9月23日に1年9か月ぶりの親子コンサートやオンライン配信にも挑戦し、現在は、通常の活動に戻りつつあります。

 

未就学児に本物の音楽を聞かせてあげたいと「場」を探すものの、泣いたり、騒いだり、立ち上がってしまうなどの理由から、子どもが鑑賞できるコンサートイベントは、なかなか見つかりません。そんな子ども達のためにと活動しているのが「NPO法人みんなのことば」です。イベントでは、フルート・バイオリン・ビオラ・チェロという4つの楽器のプロの演奏を間近で聞きながら、子ども達は、立ち上がって踊ったりします。また、子ども指揮者に合わせて音楽家の皆さんが音楽を奏でてくれたりもします。そこには、クラッシックを通じて、終始相互にコミュニケーションをとりながら進行するという新しい体感の場があります。

 

■みんなのことば https://www.minkoto.org/

■9月23日のイベント https://www.minkoto.org/20210923-liforkharajuku/

■Youtubeチャンネル「みんことTV」https://www.youtube.com/channel/UCas7OCO8vs4zfyOGy_zbBiw

 

※園での演奏会後に音楽家の真似をする子どもたち



 

子どもにとって心を育てる生演奏の体験を当たり前にしたい
五感を使う本物の体験をすべての子どもたちに届けたい

 

「みんなのことば」の演奏者は、選ばれたプロの方々です。演奏技術だけでなく、子ども達とのコミュニケーション能力が高いことが特徴的です。本物を身近に感じることが出来る「場」づくりにとてもこだわりのある団体です。

 

では、渡邊さんに色々と質問してみます。

 

Q.渡邊さんがこの団体を立ち上げた背景を教えてください

 

学生の時に音楽家をコーディネートする会社を経営していたことがきっかけです。その頃は、ウェディングやイベントの生演奏のコーディネートをしていました。その事業の経験のなかで、広い会場でのBGMではなく、控室の限られた空間で、”歴史ある芸術”であるクラッシックの空気振動や息遣いを肌で感じられることに魅了されました。もともと課題感として持っていた子ども達の五感の体験に結びつかられないかと考えたことで今の活動が生まれました。すぐに企画し幼稚園、保育園に営業に回りましたが、園側の予算が課題になり、株式会社での活動をあきらめて、寄付で回る仕組みとしてNPOの団体を立ち上げました。

 

Q.演奏者やスタッフとのチームワークがとても印象的な団体ですが、関係づくりで工夫されているところや気を付けているところが教えてください。

 

私は、音楽は好きですが、音楽家ではないんです。現在15名ほどの音楽家との一緒に活動しています。音楽家は、1年に1回、オーディションをして選考しています。演奏の技術はもちろんですが、子ども向けのパフォーマンスへの思いを持っているかどうかをみて選考しています。選考後、研修をしてから実施となります。ともに活動している音楽家や司会者は、すべての子どもに体験を届けるという団体の理念に賛同して、体現できる方ばかりです。最初は、私がしていた司会も今では、司会者用のオーディションで選定しています。その場限りのメンバーではなく、普段からオーディションや研修を行い、“本物の体験”をすべての子ども達に伝えるチームであることを意識しています。

 

 

 

 

Q.団体の最近の活動について教えてください。コロナ禍でどんなことが課題になりましたか?

 

コロナ禍の影響は大きかったです。幼稚園や保育園での活動は、半減しました。それでも子ども達の体験の場を望む先生や園の皆様と「園庭をつかったら」、「窓をあければ」、「クラスごとに分ければ」など、どうやったら開催できるかをそれぞれ園ごとに行政の規制や施設のハードの制限をふまえながらカスタマイズして、なんとかコンサートを実施させていただいていました。 

 

団体の活動の魅力は、音楽家との距離が近いこと、みんなで一緒に楽しめることにありいわゆる「密」であるところにあります。演奏を近くで聴くことで音を肌で感じ、五感をフルに使って体験してもらうため、演奏者との距離がとても大切です。その近さに子どもも大人も参加者が喜んでくれています。コロナ禍では、その魅力を十分に提供できなかったということが最大の課題でした。他には、企業の協働がなくなり、事業収益が得られなくなったことによる活動の制限も課題です。

 

※十分な感染対策を行った上で開催された園庭コンサートの様子

 

Q.経営に社会性やサステナブルな活動を取り入れようと協働などを推進している企業をどう思われますか

 

一個人としてそういう企業が好きです。もともと企業は、価値を提供できるから必要とされ対価を得て、その対価で人を雇用しているので、それだけでも十分にサステナブルであると思っています。それに加えて、さらに事業に直接的に関係ないことであっても社会をより良くしようと社会のサステナブルに取り組む企業を尊敬します企業が主体となって取り組むことで色々なステークホルダーがその動きに反応します。企業の活動が、社会を動かす原動力になると思っています。

 

Q.どのようなところに企業の価値や魅力を感じていらっしゃいますか?

 

まずは、そもそも持っている経済力です。それ以外の魅力で考えると「ステークホルダーの多さ」を魅力に感じます。ステークホルダーが多い企業は、多種多様なネットワークを形成されてきた歴史があります。その企業が、新たに何かを動かそうとしたときにその背景には、既に一定の基盤が存在しています。私には、その基盤こそが価値であり魅力であると感じます。

 

そして、ステークホルダーを拡大する企業の取り組みを推進する担当者の強い思いも大きな魅力であり、価値であると考えます。ぜひ積極的にステークホルダーと手を組んで協働してみてほしいです。それぞれの企業が持つキーワードと重なる非営利セクターと積極的に絡んで欲しいです。例えば、みんなのことばは、「子ども」「音楽」「心を豊かに」「地域貢献」「SDGs4・10」がキーワードです。非営利セクターは、団体は規模は小さくても、専門性は高く、歴史のあるところも多いです。きっと協働により企業の活動の幅や専門性が広がり、より社会性やサステナブルな活動に貢献できます!

 

 

渡邊さん、貴重なお話をありがとうございました。引き続き、ご指導の程、よろしくお願い致します。深々感謝いたします。

 

<編集後記>

いかがでしたでしょうか? 多くの子どもたちや家族を支援してきた渡邊さんへのインタビュー。地域を支えるNPOとの協働により、子どもたちの支援につながる活動が達成されるということをお伝え出来ていれば幸いです。

 

「みんなのことば」さんでは、寄付、イベント開催、会場協賛などの方法で企業との協働を募集しています。具体的な寄付や活動の事例は、下記のHPでご確認下さい。寄付は、子ども達の心を豊かにするために、幼稚園、保育園でのコンサートやイベントの開催に使用されます。寄付先の園や地域を指定する指定寄付も用意されているそうです。まずは、相談してみてはいかがでしょうか? 

 

■寄付・支援する
https://www.minkoto.org/support/ 

 

アフターコロナにおける子育て支援のキーワードは「五感」「体感」に注目が集まりそうですよ。五感を刺激するとシナプスが増え「発想力」「直観力」「危険回避能力」「相手の気持ちを察する力」「豊かな情緒」「表現力」などの力が育まれると言います。子ども達の成長を支援するというサステナブルビジョンを持つ企業であれば、子どもたちへの体感の提供をテーマにした活動により、音楽、スポーツ、芸術などを専門とする非営利団体に活動資金や場を提供したり、社内向けのイベントを協働で開催するなんて素敵なサステナブル活動ですね!実施後には、きっと社内の地域課題への意識が高まり、ステークホルダーの課題を解決する企業としての誇りが芽生えているはずです。

 

<NPOと企業の協働体験談①:指導者の協働による子育て支援活動>

前職での体験になりますが、当時、私自身、子どもが未就学児でした。週末になると抱っこ紐で子どもを抱えてショッピングモールのキッズコーナーや遊具のある公園などによく遊びに行きました。子ども達を自由に楽しく遊ばせる目的で連れていったにも関わらず、他の子どもに迷惑をかけてはいけないと気を使い、全く楽しめていない日々が続きました。同じような悩みを抱えるご家族がいるのではないかと、子育て支援を行う地域団体や様々な指導者の協力を仰ぎ、「ファミリーサポートラボ」という任意団体をCSRの一環として立ち上げました。

 

企業は、「場」を提供し、様々な子育て支援団体と指導者との協働で子どもと親が楽しめるイベントを企画しました。英語、ダンス、習字などの授業を未就学児に実施する「日曜日の学校」、家族と未就学児によるスポーツ大会「ファミリンピック」、音楽にのってひたすらはしゃぐ「キッズDISCO」、家庭内の子ども用遊具を集めて共有する「スーパーキッズランド」、家庭用プールを集めた共有プールなど、「怒らない」「止めない」「楽しむ」を共通のルールとして様々な専門性を持つ団体との協働イベントをたくさん開催しました。この企業と地域団体の協働に行政の後援も加わり、新聞で紹介され、結果的に企業と団体、指導者のPRにも繋がっています。

 

 

<社内の子育て任意団体設立:ネオファミリーサポートラボ>

環境の変化で子どもたちのスポーツの機会も少なくなっています。せっかくの休日も家の中で過ごすことが多くなってきました。そこで、社員のご家族の運動不足を補うために、習い事がなくても、公園で親子でできるスポーツトレーニングを学べる場として、親子講習会を開催しました。

 

指導にあたるのは、前職や入社前、趣味などで様々な経歴をもっている社員が担当します。その社員の「先生」のスキルをボランティアとしてご提供いただき、参加者のご家族の子育てのヒントとして役立てていただきたいと考え、設立したのが社内の任意活動団体「ネオファミリーサポートラボ」です。第一回目は、「サッカー教室」子どもたちは、広いグランドを走り回り、パパやママも必死にボールを追いかけて、家族単位でコミュニケーションをとることができました。今後は、社内講師だけでなく、地域の子育て支援団体との協働にもつなげて様々な活動を実施していく予定です。

 

 

以上となります。今後の活動の参考にしていただけると幸いです。

 

<ネオキャリア 社長室サステナブル推進 担当:高山>
kohei.takayama@neo-career.co.jp

 

 

 

高山 功平

ネオキャリア社長室/サステナブル推進。日本サッカー協会公認B級指導者ライセンスを持つCSR推進担当者。1997年~2020年までロベルト本郷に憧れて様々な地域で子ども達にサッカーを教える。その傍ら渋沢栄一に憧れCSRの推進に目覚める。2020年4月にサステナブル担当としてネオキャリアに中途入社。