ステークホルダーインタビュー
社長室サステナブル推進の高山です。
さて、2021年開幕しました女子サッカーのプロリーグ「YogiboWEリーグ」 国内最高峰のリーグです。リーグ名称の「WE」は、「Women Empowerment」の略で、女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献するという理念がふくまれています。そして、4つの設立意義の1つ目には「日本の女性活躍社会を牽引する」と掲げられ、スポーツの普及だけでなく、日本社会における女性活躍のシンボルとしてジェンダー課題に向き合うという面も組み入れられています。
これまでの日本女子サッカーには、競技規模、収益化、選手の年俸、海外での活躍機会などの「ジェンダーギャツプ」が背景にあました。社会も含めた「男女の差」という日本のイメージ改善という役割としてもリーグへの期待が高まっています。
さて今回は、WEリーグから弊社も協賛している「マイナビ仙台レディース」の企画営業課 課長 後藤早紀さんに開幕した女子サッカープロチームの現状やスポーツチームで働く女性としての考えについてお話を伺いました。
まずは、後藤さんの紹介から
マイナビ仙台レディースを縁の下で支える後藤さん、2021年2月にチームスタッフとして合流し、スポンサー獲得のために様々な企画を考え、サステナブル活動に関する連携にも協力をしていただいております。
プレーでも社会への貢献でも世界一の女子サッカーを目指していくリーグ
WEリーグの初年度加盟チームとして宮城県仙台市をホームタウンに名をあげたのが「マイナビ仙台レディース」です。「日本でいちばん、“ひと”が育つクラブ」を基本コンセプトにマイナビグループの一員として、クラブにかかわる一人ひとりが、女子プロサッカー選手という新たなキャリアパスを切り拓く先駆者であるという自覚を持ち、サッカーを通じて人間性を育みながら、成長を追求し続けていくチームです。
では、後藤さんに色々と質問してみます。
Q.WEリーグが開幕しましたね。WEリーグにてマイナビ仙台レディースの目指すところを教えてください。
目標は1つです。開幕前からの合言葉、「初代女王を目指す」です。開幕からホームで勝てない日々が続きました。女王を目指すチームとしては今のままではだめだと、試合を重ねるごとに気運が高まり、女王を目指す本気度は日々高まっています。
Q.WEリーグは、「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」ことを理念としておりますが、この多様性についてプロ契約やスタッフの女性比率など新たな取り組みにどのように対応されていますか
多様性については、「女性活躍」に関することが数量的にJリーグとは異なり、運営組織に対しても女性のポストに関する内容が、明確に規定されています。
1.コーチ、監督らに女性を入れる
2.クラブを経営する役員に女性が1人以上いる
3.スタッフの50%は女性にする
4.ホームの試合会場に託児所を設置する
などがそれにあたります。
また、リーグパートナーであるYogiboとWEリーグのコンセプトCMにおいても「ジェンダー平等」への取り組みを配信するという徹底ぶりです。スポーツだけではなく、社会課題の解決という視点をプラスしてアプローチしている点は、これまで他のプロスポーツには見られなかったのではと感じています。
その背景には、女子サッカーが、卓球やバレーボール、バスケットなど他のスポーツと比較するとこれまでに男性スポーツのサブ的な扱いをされ、幼少期から女子のスポーツとしては確立できていなかったことがあるのではないかと個人的に考えています。そういった女子サッカーの立ち位置を脱却するためにも、WEリーグはとても重要な役割を担っていると思います。
今後は、ジェンダーギャップだけでなく、ジェンダーフリー、LGBTQ+などの多様性も視野に入れながら、プロのサッカー選手になりたい、サッカー関係した仕事に携わりたいと願う方の多様性のある受け皿として、チームの魅力を高めていきたいです。
■「WE ACTION」WEリーグの理念にある多様性社会の実現に向けて、日本ならではの社会課題を発見し、わたしたちの力で行動を起こしていく。
Q.マイナビ仙台レディースの活躍を陰で支える後藤さんですが、「女性活躍」「ジェンダー格差」についてどのように思われますか?
最近、メディアなどで女性の経営者をよく見かけるようになりました。少し前であれば、女性というだけで、特別なものとして見えていましたが、最近では、政治、経営者など、女性が活躍することへの特別感は薄れたように感じます。サッカーにおいても、男子サッカーの見どころ、女子サッカーの見どころがあるように、男性チームならではの良さ、女性チームならではの良さ、それぞれの優位性に目をむけて受け入れる事が重要かと思います。
WEリーグが開催されたことで、1チームに15名以上のプロ契約選手を保有することや、選手の最低賃金を270万円に設定することなどの選手雇用に関する規定が設けられました。これまで生活のために働きながら選手を続けてきた女子チーム所属の選手が、サッカー選手だけで生活を安定できるようになり、選手に集中できるようになったことは、ジェンダーギャップ解決の一歩かと思います。
Q.マイナビ仙台レディースとホームタウンとの関わりについて、これまでの関わりやこれからの計画など教えてください
東北唯一のプロ女子サッカーチームとしては、東北全体との関わりを視野に入れています。選手たちからは、「地域の子ども達に夢を与える存在で居たい」という声をよくインタビューなどで聴きます。特に宮澤ひなた選手は、その辺りをよく発言しています。そういう選手たちの想いも含めチームとしては、地域と連携し、サッカー教室などのイベントや地域活動を開催して、小学、中学、高校の女の子を中心にしっかりと女子サッカーの魅力を届けてファンになってもらえるようにアプローチを続けていきます。
Q.最後にマイナビ仙台レディースの連携の方法があれば、教えてください。
「ユニホームパートナー」「クラブオフィシャルパートナー」が連携の方法です。初年度は、マイナビ、ネオキャリアなど6社にユニホームパートナーとして協賛いただき、50社以上の企業にグラブオフィシャルパートナーとして協賛いただいております。より多くの企業の方々に、スポーツチームへの協賛をご検討いただき、マイナビ仙台の試合を観戦いただきたいです。
協賛いただくことで、福利厚生としての観戦は、もちろんのこと、採用やSDGs推進のブランディングに活用いただいている企業の声もございます。チームとしても、東日本大震災10年未来プロジェクトやチャリティーマッチによる「復興応援」、地域清掃活動への参加による「地域美化活動」、インターンシップ生の受け入れによる「キャリア教育支援」、Women Empowerment ふれあいデーやガールズデー、女子限定のサッカー教室の実施による「ジェンダー啓発」、など、サッカーだけでなく、地域活動も積極的に実施しております。ぜひ、連携をご検討ください。
後藤さん、貴重なお話をありがとうございました。引き続き、様々な協働をよろしくお願い致します。深々感謝いたします。
<編集後記>
さて、ジェンダーギャップの課題解決を視野に入れた女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」、その中の「マイナビ仙台レディース」の取り組みは、いかがでしたでしょうか。
社会課題解決をコンセプトに持つプロスポーツチームを支援することで、協働によるサッカー教室の開校や障がい者の観戦支援、チームカラーと企業カラーを連携させた様々な啓発活動、企業内のジェンダー研修としての選手登壇などのサステナブル推進活動が企画できます。
リーグでの活躍による広告効果だけでなく、地域の活性化や社会のジェンダー課題の解決にも貢献し、サステナブル推進やSDGs推進にも取り組めます。協働をデザインすることで、採用や企業の理念遂行の実現など様々な角度からメリットを生み出せますので、スポンサーという形で、社会課題解決活動を実現してみてはいかがでしょうか?
<ネオキャリア 社長室サステナブル推進 担当:高山>
kohei.takayama@neo-career.co.jp