カルチャー
2022年1月18日

2022年4月から順次施行される育児・介護休業法改正に向けて男性育児参画について考える

ステークホルダーインタビュー

 

社長室サステナブル推進の高山です。

 

「育児・介護休業法」の改正が2022年4月より順次施行されます。
「育児・介護休業法」とは、育児や介護をしながら働く労働者が職業生活・家庭生活を両立できるように支援するための法律です。今回の法改正では、特に育児休業に焦点が当てられ、「男性が育休を取得する」ことも視野に入れた改正になっています。子育てだけでなく介護も抱えながら働く女性が増えている中で、日本には、世界の中でもトップクラスといえる男性が家事や育児に参画しやすくなる制度があるものの、それを活用する風土がないという課題が見られます。今回の法改正では、その風土を動かすのが大きな狙いであるのではないでしょうか。
短期的な生産人口の確保が課題を解決するために、夫婦での協力体制の環境整備は、改正により推進するのでしょうか

 

<参照>
男性の暮らし方・意識の変革に向けた課題と方策((男 女 共 同 参 画 会 議)
「育児・介護休業法」の改正の概要

 

➡改正ポイント
・常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。
 ※男性の育児休業等の取得率又は育児休業等及び育児目的休暇の 取得率を予定)
・育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務付け
・具体的な内容は、研修、相談窓口設置等の複数の選択肢からいずれかを選択

 

法改正の影響と少子高齢化による生産人口の現象が重なり、男性の育休に積極的に取り組む企業やその取り組みへの注目が集まることが予想されます。ジェンダー、女性活躍、子育て、介護などの課題解決のセンターピンと言われる「男性の育児参画」について、企業は見識や準備を進めなくてはなりません。

 

そこで、今回は、4人のお子さんを育て、ご自身でも育休を取得し、さらには地域の子育て支援、男性育休の推進活動をおこなっている「男性育児研究会」の川端さんと舘さんに男性の育休についてお話を伺いました。

 

 

では、お二人をご紹介します。

まずお一人目は、川端さん

 

 

 

4人の男の子のパパであり、行政職員の川端さんは、設立から7年となる「ミエメン」という団体の代表として様々な子育て支援を積極的に実施されています。行政の立場と市民活動の立場の両面で地域の子育ての課題解決を行っていらっしゃいます。

 

 

お二人目は、舘さん

 

 

同じく4人のパパであり、会社員の舘さんは、設立から8年となる「パパスマイル四日市」という団体の初代代表としての子育て支援活動、市のアドバイザー「よかパパ相談員」としての父親の子育て相談や子育てマイスター養成講座の実施など新米パパ達を長く支援されていらっしゃいます。

 

「ミエメン」と「パパスマイル四日市」の各団体の代表により結成したのが「男性育児研究会」です。10年ほど男性の育児、家事への参加や育休などの変化に触れてきたお二人は、会を通じ育児男子の経験をシェアし広げていき、各地に共助としての受け皿ができるように支援していくことを目標としているそうです。この研究会の強みは、それぞれに歴史のある子育て支援団体の代表が集まっているという経験の多様性とお二人のパパとしての子育て実体験にあると思われます。

 

ミエメン 
パパスマイル四日市 
よかパパ(父親の子育て相談) 
週刊papa! ~パパによるパパのための週刊情報~ 

 

 

子どもに関わる大人の「ななめの関係」を構築したい
子育てを楽しむ父親を地域に増やしたい

 

では、お二人に質問してみます。

 

Q.企業の男性育児参画支援について思うことを教えてください。

 

‐川端さん‐

企業が従業員の声を聴こうとするのは大切だと思います。また、聴くだけではなく、実際に男性育児参画を支援する新しい制度を取り入れるなどの行動を起こす姿勢には好感を持ちます。その際に気になるのは、企業が何のために男性育児参画推進をしようとしているのかです。企業によっては、「国や社会の流れで仕方なく推進するところ」、「平均的な達成率を追いかけるために推進するところ」、中には推進するものの、本音では「私の時代にはそんなことは考えなかった」と男性の育児参画自体を否定的に捉える経営者もいるかと思います。

 

少子高齢化で生産人口が減り続ける日本において、優秀な人材を確保し、離職せずに働いてもらうためには、男性の育児参画への理解を示すことは、企業姿勢として有効な戦略であると感じています。まずは、制度を作るところからはじめて、取組を進めることで、より肯定的、積極的に推進していくような展開になればいいなと思います。

 

‐舘さん‐

大半の父親は、仕事に時間を費やしてきました。しかし、多様性の時代となり、仕事以外にも家庭、地域、市民活動なども拠り所にする方が増えています。どこにウエイトを置くかは多様であり、人生のタイミングにより変化もします。働き手の様々な拠り所に企業側が理解を示すことは、これからの時代には、大いに歓迎すべき視点かと思います。
社員は、家事・育児という経験を通じ多様な視点を持つことにつながり、人として成長することで会社にメリットを提供すると思っています。まずは形からでも制度を作り、その結果プラスになったことに目を向けられるとよいかと思います。

 

 

 

Q.サステナブル推進(子育て支援)に取り組む企業に応援のメッセージをお願いいたします。

 

‐川端さん‐

世代間のギャップや目には見えない企業文化など一筋縄ではいかない課題を抱える中で、前向きに子育て支援や男性育児参画に目を向けてくれる企業の存在を嬉しく思います。ぜひ、その取り組み経過での成功例や失敗例、乗り越え方を発信して他の企業がマネしたいと思えるように続けていってほしいと思います。

 

‐舘さん‐

企業の社員構成の半分、もしくは、それ以上が男性という企業が多いかと思います。会社が「パパ」という一面を意識して寄り添ってくれるということは、働き手にとって大きな安心感につながります。家庭をも支えてくれている企業が増えれば、社会全体で安心して子育てができるようになります。これからも会を通じて、そういう企業を応援していきたいと思います。

 

<川端さん舘さんお勧めの男性の家事、育児支援方法や支援企業事例>

 

■「イクボス宣言」をする
https://fathering.jp/activities/iku-boss.html

※「イクボス」とは職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、部下のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)です。「イクボス宣言」とは、組織のトップやトップを含めた幹部が自らが「イクボスを目指していくこと」を宣言することです。

 

■タケガワ塗装
https://t-toso.com/

※三重県松阪市のタケガワ塗装さん。社長の地域貢献への想いが熱く、敷地内に無料で入れる動物園を作り、週末には親子で楽しめる企画やイベントを開催

 

<編集後記>

「少子高齢化」という社会課題の解決の鍵を握るのは、男性の育児家事参画にあると言われています。短期的な労働力の確保のためには、女性の活躍が必要ですし、長期的な労働力の確保には、出生率の向上、子育てしやすい環境が必要です。生産人口の向上のために、企業は広い視野をもって、働き手の家庭の支援まで考えることが必要なのかもしれません。

 

お二人の話を聞き、従業員の声に耳を傾け、多様性に配慮する企業姿勢に高い価値を感じます。川端さんや舘さんがおっしゃっているように制度の変更に留まるのではなく、男性の育休を実肯定的に取り入れ、2022年4月より順次施行される「育児・介護休業法」の改正の前に社内の準備を整えるのもサステナブル推進の1つの方法となります。「子育て支援」をテーマに下記のような取組を始めてみてはいかがでしょうか?

 

▼プレパパ教育(パパになる前の男性への研修や体験会)
▼産後8週間を目標とした男性育休取得体制作り
▼育休制度の理解研修
▼産後鬱の予防&サポート
▼男性の家事育児の研修、勉強会
▼パパ友形成のための社会活動支援
▼イクボス研修、イクボス宣言(上司への育休研修)
▼社内のパパグループの設立
▼遊び方、本の読み聞かせ講座 など
※参照:ファザーリングジャパン

 

<私が学んだ男性の育児家事参加のポイント>

①トイレットペーパーの芯を床に捨てない。
 →それを捨てるのはママです。黙ってゴミ箱に持っていきましょう。
②トイレットペーパーが切れたら補充する。
 →「おい!トイレットペーパーが無いぞ」なんて怒っては、ダメですよ。
③風呂掃除するなら排水溝も
 →排水溝の髪の毛の処理までが、風呂掃除
④それはゴミ捨てじゃなくて、ゴミ運びです。
 →今日は、何のゴミの日かを確認して、専用のゴミ袋を用意し、部屋中のゴミを集めて、ゴミ捨て場に持っていくことがゴミ捨てであり、ママが玄関に置いてくれたゴミを通勤のついでにゴミ捨て場まで運ぶのは、ただのゴミ運びです。
⑤掃除機の中のゴミを捨てましょう
 →吸い込みの悪くなった掃除機をいくら動かしても奇麗になりませんので、掃除機の中のゴミを捨ててから掃除機をかけましょう
⑥「おい醤油の替えが無いぞ」
 →買い物に行く前に何が必要かチェックしましょう。ママは秘書じゃありませんので
⑦自分のことは自分でやる
 →当たり前のことですが、自分でできることは自分でしましょう。
⑧スマホを手放し、妻の話を聴く
 →「〇〇しながら」は、NGですよ。その姿を子どもがマネしますしね
⑨授乳以外は全部できる
 →これにつきます。全部できます。
⑩「笑っているパパ」でいる
 →良いパパを目指すのではなく、笑っているパパを目指しましょう。パパが笑顔なら、子どももパートナーも笑顔で暮らせます。

 

<社内の子育て任意団体設立:ネオファミリーサポートラボ>

 

 

環境の変化で家の中での活動が増えています。家の中でいかに子どもたちを楽しませるかと悩むパパやママ。そこで、社員のご家族の自宅での交流方法のヒントを提供するために、親子工作講習会を開催しました。工作教室では、紙で「けん玉」と「竹とんぼ」を作成し、けん玉大会や竹とんぼ飛ばし競争を開催しました。

 

■参加者の声
・「楽しかった~」と言ってました。
・ふとした瞬間に「今日楽しかったなぁ~!」といっていたので本当に楽しかったようです!すてきな企画ありがとうございます。次回も楽しみにしています!
・お疲れさまでした!次回も楽しみにしていますね!
・なかなか家だとああやって子どもたちと一緒に何かをつくる時間をしっかり設けることができないので貴重な時間でした。
・うちの子はシャイで、楽しでくれたのかな…と、思いましたが、、うちに帰ると妻に自慢するなり、けん玉と紙とんぼのループです!
・工作は2歳の息子には難しいかとおもってましたがとっても楽しく参加することができました!

 

 

 

以上となります。今後の活動の参考にしていただけると幸いです。

 

<ネオキャリア 社長室サステナブル推進 担当:高山>
kohei.takayama@neo-career.co.jp

 

 

 

高山 功平

ネオキャリア社長室/サステナブル推進。日本サッカー協会公認B級指導者ライセンスを持つCSR推進担当者。1997年~2020年までロベルト本郷に憧れて様々な地域で子ども達にサッカーを教える。その傍ら渋沢栄一に憧れCSRの推進に目覚める。2020年4月にサステナブル担当としてネオキャリアに中途入社。