社長室サステナブル推進の高山です。
このコンテンツは、社内へのサステナブル活動の情報伝達と社外のサステナブル推進に孤軍奮闘されている企業のCSR、SDGs、サステナブル担当者の方々との交流や情報共有を目的として作成しております。
さて、今回は、表題の通り、社内勉強会にて、D&I (ダイバーシティ&インクルージョン)について、勉強会を開催いたしました!勉強会終了後に多様性についての理解を深めることが今回の狙いです。
今回のキーワード
・日本のジェンダー格差
・日本の母親像
・ダイバーシティ&インクルージョン
インデックス
1、日本の課題って
2、ダイバーシティ&インクルージョンとは
3、障がい者雇用の取り組みピックアップ
1.日本の課題って
戦後、日本社会は大きく変りました
生活は、何もかも変わりました
(※ジェンダー格差をのぞいては)
1960年代には圧倒的なマジョリティ(多数派)であった喫煙者が、今日では、マイノリティ(少数派)に変化しました。戦後から日本は色々なことが変化したにも関わらず、ジェンダーに関する課題は、根強く残っています。東京オリパラ元組織委員会会長の女性軽視発言、長年時間をかけて代々刷り込まれてきた「男らしさ」や「女らしさ」、女性は運転が苦手とか女性は算数が苦手というような「ジェンダーバイアス」、女性の消防士とか男性の保育士のような「ジェンダートラッキング」など、今回は、日本のダイバーシティの課題に関心をもっていただけるような勉強会を開催しました。
例えば、国民的アニメの母親像
子どもたちの理想の母親といえば、「磯野サザエ」「野原みさえ」「磯野フネ」「野比玉子」と名前があがります。日本人が長年慣れ親しんでいるアニメの母親たち、この母親像の昔も今も変わらない共通点は、全員が「専業主婦」であり、家事、育児の大半をお母さんが行うという構図になっています。父親は座って新聞を読み、母親は、エプロンをして家事や育児を切り盛りする。(共働きのアニメって日本に存在するのでしょうか?)私の父も私も私の子ども達もこのアニメを見て育ちました。
企業のダイバーシティへの取り組み事例
よりダイバーシティを分かりやすくするために、身近で起きている企業のダイバーシティの取り組み事例をピックアップしました。
・同性カップルや哺乳瓶での授乳などのジェンダーニュートラルな絵文字を追加(iphon)
・LGBTなどの多様性を表現した346ピースの特別セット (LEGO)
・場内アナウンスを「Ladies&Jentleman Boys&girls」から「Hello everyone」へ変更 (東京ディズニーランド)
・色鉛筆やクーピー、クレヨン、絵の具の「肌色」が無くなり「うすだいだい」への変更
・男の子は「黒」、女の子は「赤」とされていたランドセルの色の多様化
・学生服の選択肢の多様化 など
ある時代の常識は、今の時代の非常識になることがあります。昔から当たり前のように販売し購入してきたものが、無意識に人を傷つけている可能性もあります。選べないということが問題になることもあります。
企業のサステナブル推進担当者としては、社内にも社外向けにもに存在する気が付かない偏見を見える化して、無意識を意識に変えることが必要です。ダイバーシティ&インクルージョンの研修を通じてアンコンシャスバイアスの存在を説明し、リスクを共有することが事業のサステナブルにとって必要なのかもしれません。
2.ダイバーシティ&インクルージョンとは
「ダイバーシティ」や「多様性」という言葉は、よく耳にします。しかし、70%の方は、知らないか、聞いたことはあるが、意味は分からないというデータがあります。社内のこの聞いたことはあるがわからないを少しでも解決するために、ダイバーシティについて説明が必要となります。
ダイバーシティとは
集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態のことで、その属性には、選択不可能な属性(性別/性的思考/年齢/人種/国籍/身体的特徴など)と選択可能な属性(経歴/教育/職務経験/収入/働き方/趣味/服装など)が含まれます。表層的、深層的と表現したりもします。
インクルージョンとは
直訳すれば、包括・包含という意味です。 組織内すべての人が参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態のことで、ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様性と個々の違いを受け入れ、認め合い活かすことと言えます。
一般的な企業が取り組むダイバーシティ推進の内容
企業のダイバーシティ推進といえば、下記のような取り組みが考えられます。女性比率、女性の役員比率、障がい者雇用率など数値で比較される内容が多くなる傾向にあります。
・女性の活躍推進
・様々な経験を持った方の中途採用
・障がい者雇用推進(職域開発)
・シニア人材の活躍推進
・外国人人材の活躍推進
・育児/介護と仕事の両立支援
・LGBTQ+への支援 など
これらは、性別・国籍・年齢など、属性や外見の多様性で「デモクラフィー型」と呼ばれます。多くの企業で推進しているダイバーシティですが、外見的で表面的な多様性ばかりに意識が向いてしまい、不信感や不公平感を抱かせる原因になりやすいため、ダイバーシティの本質である内面的な多様性につながりにくいことが問題視されています。
これから企業が取り組むダイバーシティ推進
現在では、タスク型と呼ばれる経験、スキル、才能、見識、専門分野などダイバーシティの本来の目的である内面の多様性を実現するほうが、企業経営に良い影響を与えると言われています。数字合わせとして女性を増やしたり、女性役員を増やすのではなく、女性ならではの視点や価値観を組み込んでいくといった形です。タスク型を実現し、経験、スキル、才能、見識、専門性の多様な人材による議論を可能にすることで、多様なステークホルダーに対応することができます。
企業は、まず、国籍、年齢、性別、経験など選択不可能な属性と選択可能な属性双方の軸を増やし、タスク型の多様性して社会の縮図を組織内に形成し、多様な視点で議論を行い、経営の攻守に活かすことが必要だと思われます。
個人でできること
組織のダイバーシティを実現するには、個人の意識改革がとても重要になります。
・ダイバーシティに関心を持つこと
・違って当たり前を受け入れること
・価値観を押し付けないこと
・視野を広げ社会課題を理解すること など
まずは、自身の改革から始めましょう。
3.障がい者雇用の取り組みピックアップ
障がい者雇用にも数字合わせの取り組みもあれば、タスク型の取り組みも見られます。勉強会ではまず、業界他社の取り組みを紹介しました。人材業界では、女性活躍から始まり、特例子会社により障がい者雇用を実施する企業が多くみられます。タスク型の障がい者雇用として、私が個人的に注目している3社を紹介し、インクルージョンの実現を理解してもらいました。
<障がい者雇用>
・日本理化学工業の障がい者雇用
・アクセンチュアの障がい者雇用
・SHIFTの障がい者雇用
<スポーツを通じて体験する>
・ブラインドサッカー
・スペシャルオリンピックス
<ワークショップを通じて体験する>
・ダイアログ・インザ・ダーク
・ダイアログ・イン・サイレンス
まずは当事者の視点で考える機会をつくることから
始められると良いと思いました
参加者の受講後の感想
参加者の感想から今回のテーマの浸透具合を確認します。
・たくさんの他の企業の事例を知ることができ理解が深まった
・生産人口の減少からもダイバーシティの実現が求められていることを理解できました。
・女性、障碍者、シニア、多国籍人材等、当事者にならないとなかなか実感も沸きづらい面もあると思うので、まずは当事者の視点で考える機会をつくることから始められると良いと思いました。
勉強会を通じ、無関心層から関心層と変わり、社会の多様化に対応するには、自身と組織の多様化が必要であることを理解していただけたようです。数字合わせではなく、タスク型ダイバーシティの実現を目標として取り組みことで社内外に良い効果が期待できるかと思われます。
財務価値の向上はとても重要ですが、同じように非財務価値の向上が必要です。サステナブルをテーマにステークホルダーの多様性の理解につとめることで「ダイバーシティ&インクルージョンとは」の答えがみえてくるのかもしれません。
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