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2021年4月23日

【COO×CTO対談】ネオキャリアが医療業界へ参入!人材×テックの会社がなぜ医療なのか?

「ヒト×テクノロジー」を軸に国内外でさまざまなサービスを提供しているネオキャリアが、2021年に「医療×テクノロジー」の分野に参入。

3月には診療から処方薬の受け取りまでワンストップでおこなうオンライン受療支援サービス『おうちドクター 』の提供を開始。すでに多くのユーザーに活用されるサービスとなりました。

一見すると「人材会社(=営業会社)」という見方も強いネオキャリアだが、なぜこれまでとは異なる専門性・技術性が高い医療の分野に進出できるのか?

今回は、事業を牽引しているCOOとCTOの二人にインタビューを実施。ネオキャリアが医療業界に参入した背景や想いについて語ってもらいました。

「ネオキャリアは人材会社じゃない」COOが語る、等身大のネオキャリア

本日はお時間いただき、ありがとうございます!

2021年3月に、ネオキャリアが医療×テクノロジーの分野に参入しました。

この数年で多くの事業を手掛けられているので、ますます「ネオキャリアって何の会社なの?」と思われている方もいらっしゃるかと思います。

まずは、加藤さんに「ネオキャリアがどのような会社なのか?」お聞きしても良いでしょうか?
確かに、これまでは人材サービス業を中心に展開してきましたし、名前も「ネオキャリア」なので、どうしても人材会社と捉えられがちです。

ただ、僕自身は「ネオキャリアは人材サービスの会社だ」と定義づけたことはありませんし、そのような認識もしていません。

ネオキャリアは「ヒト」と「テクノロジー」を軸に、さまざまな社会課題の解消を実現する会社である。

僕はそう思っています。

COO(専務取締役副社長) 加藤 賢

大学を卒業後、2000年4月に新卒で投資会社へ入社。2000年11月に同期新卒メンバーで株式会社ネオキャリアを設立する。営業を経験後、投資会社へ出向し、各種M&Aなどを経験する。2002年4月、取締役就任。CFO兼管理本部長として、会社基盤構築、及び、子会社事業管掌。2011年10月に専務取締役副社長COOに就任。国内全事業管掌、及び、新規事業開発を担当する。

最近では、『jinjer 』『Calling』『Signing』『wakumo』『ultra 』など、数多くのプロダクトを生み出しており、テクノロジー分野にも注力している印象を受けます。

こんなに多くのプロダクトを次々と開発できているのは、なぜでしょうか?
現在で約700人近くのエンジニアを抱えていることが大きいですね。

これは、人材業界の中でいくと、リクルートの次くらいにエンジニアを抱えていることになると思います。

また、エンジニアだけでなく営業も引き続き多く在籍しているのがネオキャリアです。

ですので、私たちは「自分たちでサービスを開発でき、自分たちで売ることができる会社」で、これが最大の強みになっています。

たとえば、ユニクロの話になりますが、一見すると"衣類の販売会社"にしか見えないかもしれません。

しかし、僕からすると「ヒートテックのような素材の開発」から「商品のデザイン・製造」「店舗での販売や流通」といった生産から販売までを一気通貫でカバーできる会社だと思っていて、だからこそ、あれだけ成長できているのだと考えています。

重要なのは「つくること」「広げること」の両方の力を持つこと。これが今のネオキャリアの成長の源泉になっていると思います。

そして、それを実現できたタイミングが、CTOと出会った時ですね。

「1兆円の企業を作りたい」CTOがネオキャリアに入社する決め手となった言葉

そもそも、CTOがネオキャリアに入社した決め手は何だったのでしょうか?
加藤さんが真顔で「2030年までに1兆円やります」と言い切ったことです。

はじめてお会いさせていただいたときに、加藤さんからネオキャリアのビジョンを聞いたのですが、それが刺さりました。

CTO(最高技術責任者)

2015年ネオキャリアに入社。世の中にある数多くのサービスを手掛けてきた実績あり。彼の詳細に関しては極秘扱い。ネオキャリアのエンジニアはすべて CTOの人脈から始まっているほどの影響力を持つ。技術的な中心であると同時に、東京だけではなく、ベトナムのオフショアもスタートさせるなど組織に関しての造詣も深い。「プロダクトは作って終わりではなく、そこからがスタート」「世の中に対してワクワクするものを作りたい」「ナンバーワンのプロダクトを作る」といった思想を持つ。

今でも鮮明に残っているのですが、「アジアを代表する会社に終わらせず、世界を代表するカンパニーをつくりたい」と力強く語っていて。

「1兆円やらないと世間からなくてはならない会社になれない」「既存の人材ビジネスにこだわらず、社会の負を解消するサービスをつくりたい」「その実現のためにテクノロジーに注力していきたい」と。

それを聞いて、僕は加藤さんが実現したい世界観やプロダクトを作りきれる自信はあったので、ネオキャリアにジョインして加藤さんと仕事したら、すごくおもしろいことができると思って入社しました。

当時は、もうワクワクしかありませんでした!(笑)

ビジョン実現のためには、テクノロジー分野に注力していくことは避けて通れない道でした。

そんな中で、CTOとの出会いがなければ、ここまでの勢いでやれていなかったことは確かです。

ネオキャリアがテクノロジーの領域に力を入れることができているのは、CTOがいるからこそなので、本当に感謝しかないです!

なぜネオキャリアは「医療×テクノロジー」の領域に参入するのか?

ありがとうございます!では、ここから、本題に移りたいと思います。

先日『おうちドクター 』がリリースされ、ネオキャリアとして医療の分野に本格的に進出し始めたと思うのですが、その背景や目的についてお聞きできればと思います。
実は、僕自身が慶応大学の医学部出身なので、もともと医療の分野への知見や関心は高かったんですね。

ただ、それとは別にやりたかった理由が大きく4つありまして。

まず1つ目は、ネオキャリアのヘルスケア事業の中で、「保育」「介護」以外のものを作るべきだと考えたからです。

「保育」と「介護」のサービスは、今の世の中に絶対に必要なものですが、各サービスがぶつ切りになっていて、接続する箇所がないんですよね。

この2つのサービスを繋げる役割として、ずっと「医療」という領域に注目していました。

さまざまな社会課題の中でも「医療」は全ての人が無視できないものだと思っています。

少子高齢化が進む今後の日本において、生まれてから死ぬまで受けることになるサービスといっても良いかもしれません。
「保育」と「介護」の2つを繋ぐ立ち位置としての「医療」をつくると。

2つ目はどのような理由なのでしょうか?
2つ目は、新型コロナウイルスで世の中が大きく変わり、消費者のオンラインに対する抵抗感が減ってきたことですね。

実はアメリカでは、10年前からオンライン診療が進んでいるのですが、日本ではなかなか進んでいませんでした。

それが、コロナの影響で厚労省が初診患者のオンライン診療を解禁しました。そして、オンライン診療がこれからの世の中の標準になる未来が見えたわけです。

これは、とても大きなきっかけでした。
新型コロナにより、医療のあり方が一気に変わりつつあるということですね。

3つ目についてもお伺いさせてください。
「医療×DX」の領域において、まだ圧倒的なプラットフォーマーがいないことです。

すでにオンライン診療アプリの『Calling for Telemedicine』というプラットフォームもつくっているので、ネオキャリアには非常に大きな先行優位性があると考えています。

もちろん、これから多く企業の参入があると予想されますが、この段階からすでに動き出しているので、ファーストポジションを取りにいける可能性がある。

他社よりも確実にノウハウはたまっていきますし、厚労省、各医療機関、医療従事者へのネットワークも早期に構築できると考えています。
ありがとうございます。

では、最後の4つ目の理由とは何でしょうか?
4つ目は、単純に、大きな社会貢献になると考えているからです。

病院に行かずにオンラインで気軽に相談できたら、より過ごしやすい社会を実現できる。そのように考えています。

個人で考えても、「頭が痛い」「おなかが痛い」「花粉症がしんどい」「精神的につらい」「寝れない」など、医療は多くの人が悩んでいる領域です。

こういった悩みを、個人単位はもちろん、法人単位でも、たとえば会社の福利厚生のような立ち位置で社員をフォローできる仕組みをつくれないか考えています。
なるほど!個人だけでなく、法人向けのサービスにしていく構想もあるのですね。
ネオキャリアだけでも従業員が4,000人近くもいるので、社員一人ひとりを対象に医療の側面からもフォローアップすることで、社員に喜んで欲しいと思っています。

この4点を軸に「絶対に医療は変わりつつあり、医療にもDXの波が来ているので、やらせてください」と加藤さんに直談判し、進めていくことになったのです。

これからの新規事業に求められるのは、「社会課題」と「経済合理性」の接続

ネオキャリアは、最初から社会貢献軸が強い会社ではありません。

会社の成長と共にできることが増える中で、結果として「社会の負を解消したい」という想いが強くなっていきました。

現在は「保育」と「介護」の領域で事業を展開していますが、これからの本丸はやはり「医療」のところになってくると考えています。

今回は、皆さんがイメージする「人材サービス」とは関係のない新たな挑戦をしていますが、これは人材サービスではない領域で自分たちの強みを生かすこともようやくできてきたということでもあります。
新たな挑戦になるかと思いますが、加藤さんが事業を作る時に、大事にしていることは何でしょうか?
これからの時代を生きる事業家として最も必要な能力は、「社会課題」と「経済合理性」を繋ぐことだと思っています。

単純にお金を稼ぐだけだったら、別に方法はいくらでもあるわけです。

でも、社会課題と経済合理をどう接続するかに、すごく社会的価値があり、すごく難しいテーマだと思っています。

誤解される言い方になるかもしれませんが、僕は、ボランティアみたいなものはあまり好きじゃないんです。

なぜかというと、ボランティアは持続可能性が無く、誰か善意ある人がいないと、サービスを提供し続けられないからです。

しかし、そこに経済合理を組み込むことで、全員がwin-winになれる構造を作りだすことができれば、持続可能性のある良い事業モデルになると考えています。
つまり、社会課題をビジネスで解決することが求められているということですね!
この「医療×テクノロジー」の領域においては、CTO自身が競争優位性を持っています。テクノロジーの最前線にいながら、医療の知識も豊富に持っている人材なんて、ほとんどいません。

また、医療は、そもそも「儲かるからやろう」と単純に始めることがとても難しい領域です。医療に対する想いと、深い知識、そしてテクノロジーへの強さみたいなものがないと、手が出せないですよね。

ですので、ネオキャリアはCTOを軸にチャレンジすることで、必ずやり遂げられると思っています。

ヘルスケアテック分野でネオキャリアが仕掛けていきたいこと

今は、『おうちドクター』をローンチしていますが、ここをベースに、サービスをどんどん横展開していきたいと考えています。

今は花粉症だけですが、高血圧、アトピー性皮膚炎、糖尿病など、さまざまな症状に対して活用できるようにしていきたいです。

サービスとして扱うことのできる医療の範囲が広がっていく感じですね。

また、先程も申しあげたように、個人向けだけでなく企業向けのサービスとして提供していきたいと思っています。

この間も加藤さんと話していたのですが、オンラインで多くの病気の診療ができるような世界にしたいんですよね。

現状、法律でまだ認可されていない部分もあるので、どこまでをオンラインで実施できるかは未知数ではあります。

ただ、できるようになるなら、挑戦したいと思っています。
オンライン上で医療が受けられるようになれば、とても便利ですよね。

病院に行く時間をなかなか作れない方も多いと思うので・・・。
すぐに全ては難しいかもしれませんが、たとえば、尿検査や血液検査のキットを郵送で送り、その結果が次の日にはアプリに反映されていて、すぐにわかるようになる。

また「尿酸値が高い」「血圧が高い」みたいな悪い結果があれば、それに対しての対処法がアプリ上に書いてあり、すぐに病院の予約やオンラインの診断を実施してもらうことができるし、最終的には郵送で家に自分にあったお薬が届く。

こういったサービスができれば、仕事をしながらでも社員の健康をしっかりフォローできるのではないかと考えています。

社員の中には「お酒を飲み続けているため、最近肝臓の調子が悪い」みたいなこともあるかと思います。でも、仕事が忙しかったり、そもそも面倒だったりで、なかなか病院には行かないですよね。

それが、アプリでオンライン診療ができるようになる。そして、さらに家に薬が届くようになる。このようになれば「使ってみようかな」ってなると思うんです。
病院に行って診療してもらうより、心理的なハードルが下がるかもしれませんね。
忙しく働いている中では、明確に痛いとか、何かしらの目立った症状がない限り、健康診断でイエローカードが出たとしても、そのままにしてしまう方も多いと思います。

オンラインやチャットでやりとりをするだけで、お薬が出るようになるのであれば、すごく手軽に診療を受けられます。

また、これで少しでも健康になって寿命が伸びるのであれば、みんながハッピーになれますよね。

患者側が医療を選ぶことのできる時代へ

これは僕の夢なのですが、「医療=なんか難しいもの・取っ付きにくいもの」というイメージを改善していきたいです。

これから医療は、患者さん側が選ぶことのできる時代になっていくと思います。なので、「手軽に」「簡単に」「安く」「好きなときに」受診できるようになっていくことが求められているのではないでしょうか。
医療がもっともっと身近なものになり、積極的に活用されるようにしていけるといいですよね。
今、CTOが話した文脈でいくと、「医療の民主化」みたいなイメージですかね。

もうすでに、田舎には医者が足りないわけですが、少子高齢化が進む中で、医者にかかる人はどんどん増え続けていくわけですよ。

でも、医者の数がそんな急激に増えるわけじゃないですし、物理的に住んでいるエリアごとに均等に医者を配置するのは現実的じゃないですよね。
確かに、現時点で離島だったり田舎で「医療に従事しよう」という方は少数なイメージがあります。

もう既に全国民にとって均等な医療体制が整っているとは言えないかもしれませんね。
世界中と比較すれば、日本はかなり医療が各地に行き届いているほうだとは思います。

ただ、それでも少子高齢化が加速する未来の中では、課題が浮き彫りになってくるでしょう。

社会自体が持続可能性を持てない時代に突入しているので、テクノロジーの力を使って課題を解消することは必須になっています。

ネオキャリアとして、「医療×テクノロジー」という領域で多くの人たちにサービスを送り届けることは、とても価値のある挑戦だと考えています。
これから『おうちドクター』を中心に、サービスが広がっていくのが楽しみです。

本日は、貴重なお話をありがとうございました!